ピラミッド

2003年12月21日


人というのはどんな生き物でしたか
人ですか
詳しいことまで覚えてはいませんが
確か
傷を負えば負うほど強く優しくなれる
そんな戯言を叫んでおりました確か
傷を負えばその実
絶望し歪曲し屈折し
結果世界を壊す方向へと向かいました
壊すのは簡単
しかしその簡単な力さえないことに気付くと
再び絶望し
(今度こそ本当の絶望だよ?まじでまじで)
ああ駄目だ死にます と
全てに対し許しを乞うしかありませんでした
残るのはそう
生死さえもを厭わない人々だけだったんです
こうして世界は残酷なことに徐々に
優しく
美しくなっていき
あまりに残酷な話ですが
世界はみるみる美しい世界へと
変わっていきました
そして更に残酷なことには
傷を負った者がその美しい情景を見て
一時
心を癒したのです
生死の選択や愛憎
それらを日々好みながら
それらの無い
ただ美しい世界を見て
一時
心を癒したのです
卑屈な身にあっては
モノを愛でられる資格などないのに
人というのは結局
青酸カリだけを眺めてその一生を終えたのです
飲もうか飲むまいか。
誰かが止めてはくれないか。
情けをかけたこともないのに情けを乞いながら
非情でありながら他人は非情だと嘆きながら
本気で走りもせずに年老いて
その一生を終えたのです
ではどうですか
もしもあなたがかつて人であったころ
そのころのあなたに
言葉をかけられるとするなら
いまや手足も目も鼻も耳も何も
全てを失ったあなたが
もしもあのころ
言葉をかけられるとするなら


お前が思うほど
周囲はお前の生死に関心などない
お前の生死に感心があるのは
自分が大事 な
お前だけ
お前が死んでも明日は綺麗な日が登る。
傷を負えば負うほど強く優しくなれる
そんなものは戯言でしかない
違うというなら
お前が実証してみせろ
弱く卑屈なお前に実証できはしない
ほら
ああそうだよと弱音のお前がいる

 
それはまた随分と
はい随分としかし
結局人は変わらないのでしょう
変わらない嘆きを繰り返すから
だから
あらゆる動物よりも下等だとされたのでしょう
高位の者はだから
決して話す口を持たなかったのです
物言わずただ
与えられた生を生きた 
 

 
 
  
 
 
 
 
 
  

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